「SSCにじ」9月号より転載
8月の評議委員会で、運動体である虹の会と事業体である介助派遣システムを別で考えていこうという話になりました。そしてそのことを明確化する(障害者は事業所運営に噛まない)ため、介助派遣システムの理事も代表も、全て健体者とすることにしました。そこに至る経緯、現代表である加納さんの思いをお伝えします。(編:にった)
『私が障害者としての権利を訴え続けるために』
介助派遣システム理事である障害者3人全員辞任。
加納友恵、介助派遣システム代表を辞任。
文:加納友恵
◆代表辞任に至る経緯◆
この度私加納友恵は、介助派遣システムの代表理事を辞任することを決意しました。
つきましては10月7日(土)18時より虹の会本部事務所(ほんびぃ)にて介助派遣システムの臨時総会を開催することとなりました。ぜひ出席していただき、みなさんと、今回加納を含む現理事辞任と新理事就任の決議について、大いに語り合いたいと思っています。
残念ながら当日出席できないという方もいらっしゃると思いますので、今回介助派遣システムの臨時総会を開催することとなった経緯を書きたいと思います。
ことの始まりは今年の2月に行われた監査でした。その後監査の結果について指導も通知も無くどうしたのだろうかと思っていたところ、7月の頭に、役所の人10人がシステム事務所に実地調査という名目で突然やって来て、介助者の勤務台帳や利用者の台帳、介助者の雇用契約書や履歴書、介助者の資格の有無がわかるモノを確認したいので提出してほしいと言ってきました。
その後も毎週のように役所の人たちが押しかけてきては、介助派遣事業所としてあの書類を提出してくれこの書類を用意してくれと言われるようになりました。そしてその度に、その書類はなぜ必要なのか?なぜ介助した内容を記録して役所に提出しなければならないのか?今年の方針で決めたことをひっくり返すことかもしれませんが、そもそもなぜそこまで資格取得を強制するのか?到底納得出来ない人権蹂躙ではないかと突っぱねたりと喧々諤々とやっていました。
◆事業所運営も障害者主体であるべきか?◆
介助者の資格は障害当事者が与える、と思っています。それが「誰もが地域で生きる」ためには必要だという気持ちは変わりません。それは介助を使って生活をしている障害者の私の本心なのでまちがっているとは思っていません。しかし一方で別に役所の肩を持つわけではありませんが、役所としては税金を使って事業所に金を払っている以上監督責任があるのも事実なのです。法に則って事業を運営しているかが大事なのです。
今まで私たちは事業所の運営においても当事者主体であるべき=障害当事者が事業所の代表であるべきだろうと思いやって来ていました。でもここにきて役所との話し合いをしていく中で苦渋の選択を迫られてたり理不尽に思えても飲み込まざるをえないことが増えてきました。
◆運動と事業所運営をわける◆
そこで虹の会評議委員会において、『今後の虹の会とシステムの関係性についてシステムのあり方について』改めて考えていったらどうだろうかと提案がありました。つまり虹の会は運動体。システムは事業であり一般的にいう会社、行政から来る税金で運営している事業体なのです。私自身も虹の会と介助派遣システムを一緒くたと思っていましたが、運動と事業は相反するモノでまったくの別物です。今までの刷り込みで介助にまつわる全てのこと…介助派遣事業の代表は介助を使う当事者がやるべきだろう、と思っていましたが、別けて考えてみたらどうだろうかとなりました。
障害者側は事業運営経営云々は考えず、運営者ではなく介助を使うただの利用者でいいのではないだろうか?介助を使っていくうえで不満があれば好き勝手に資格のことや介助記録のこと名札のことなど文句を言えばいいのではないだろうか。ただただあたりまえの生活をしていきたいだけなのに苦渋の選択をしていく必要があるのだろうか?無いのではないか?運動と事業を切り離してやっていく、つまり虹の会とシステムを切り離す。そうすることで今回の監査の件やこれからのことなど、スッキリと新たな気持ちで進んでいけるのではないだろうかと話し合いました。
それには私加納がシステム代表から辞任する形を取ったらどうか?となりました。それには理念的な事を確認していくだけではなく思いきって形から変えていかないとうまくいかないと思い、この度代表を辞任することを決意しました。それに伴い、事業体としての介助派遣システムのあり方、システム会議、そして虹の会の評議委員会で討議していくことも変わってくると思います。
◆新たなスタート◆
正直かなり大胆な変革なので動き出してみて気づくこと見えてくることがあると思います。違和感があったら戻せばいいと話していますが、どちらかというと今は不安よりも新たなスタート地点に立つという期待の方が大きいです。
障害当事者主体だからとお飾りとして代表になり自ら法に則って事業運営をやっています。と言ってしまうより、私は嫌なことは嫌だと文句を言える利用者の立場でいたいと思うのです。
了
「どんなに障害が重くても地域で暮らす!」
虹の会(さいたま市)では、現在、ハトミの介助者、カブキの送迎してくれる人を大募集!
*ハトミの方
①昼:9時~17時(1回9,600円)
②泊まり:15時~翌7時(1回20,950円)
③泊まり:19時~翌11時(1回20,950円)
時給1,200円〜、月給21万円〜
※曜日、時間は相談応
詳しくは http://www.nijirock.com/blog/?p=16166
*カブキの方
リフト付きワゴン車を使ってor電車バスを使っての送迎です。
①(月)(水)(土) 7:00〜9:00
②(水)(木)(土) 19:00〜21:00
1回2,400円。
詳しくは http://www.nijirock.com/blog/?p=16182
お気軽にお問い合わせください。
電話、にじ屋店頭、DM、なんでも!
◆虹の会
http://www.nijirock.com/nijinokai/
◆巨大倉庫型リサイクルショップ・バカショップにじ屋
http://www.nijirock.com/nijinokai/nijiya.html
◆スーパー猛毒ちんどん(放電中)
http://www.nijirock.com/nijinokai/modoku.html
◆その他、ウチのみんなが書いているいろいろ
●虹魂的障害者自立生活 https://facebook.com/nijirockteki/
●ミツのホッサ日記PLUS http://nijirock.com/mitsublog/
●井上のリーダーズブログ http://nijirock.com/inoueblog/
●筋ジストロフィー漆黒夢語り https://ameblo.jp/blackrose-triplesix/
●虹の会本体ブログ http://nijirock.com/blog/
●スーパー猛毒ちんどんコンポーザーさとうの日記 http://superchingdong.blog70.fc2.com/
●にじ屋ツイッターアカウント「にじ屋先取り情報」 @NijiyaBacaNews
●【動画】スーパー猛毒ちんどんチャンネル https://www.youtube.com/user/superMOUDOKUchingdon/featured