猛毒

ミツ編

写真右の赤いチャイナドレスが、ミツ。スーパー猛毒ちんどんでは、「旗」担当であります。

ライブの最初から最後まで、旗を振り続ける。 旗振ってる写真がパッと見つからなかったのですが。 けっこうですね、１時間とか振り続けるわけだから、かなりの体力消耗ですよ、きっと。

でもミツは、振り続ける。 振るとなったら、疲れたとか腕が痛いとかそんなことは関係なく、振るんだから振る。 ミツは、そういう人デス。

写真は振ってませんけどね（笑）。 これは、「えらいこっちゃ」を歌っているシーンで、練習のときから「ここはミツも踊ろうよ」となっていたので、踊るとなったらミツは踊るわけです。 ステージを降りて（っていっても特に段差は無いわけですが）客席に入って、もみくちゃの仲間になっておりました。

さて。なんでミツが「旗」担当になったのか、そのいきさつを書いてみましょう。

あれは、２００３年…かな？ 大宮駅西口にある、鐘塚公園というところで、虹の会はバザーを行いました。 バザーと言っても大バザー。大企画でした。それまでずっとやってきた、虹の会バザーの最終形態だったと言ってもいいんじゃないかと思います。

*虹の会バザー 「障害をもっていても地域で暮らしたい」と願う障害者と、それを応援するボランティア集団としてスタートした虹の会。 その後、地域で暮らす障害者の介助を安定させるため、介助者を、ボランティアではなくお金を払って雇うという形に移行。 当時、まだまだ行政の「ヘルパー制度」は整っておらず、介助者を雇ってもその給料が、ほぼ無い。 24時間必要な介助者を、24時間分雇うことができない。 その雇えない分、介助に入り続けていたのが「専従介助者」と呼ばれる人たち。 当時の、佐藤さんとか冨澤さんとか。 ちなみに今、私も「専従介助者」ですが。 その、専従介助者の給料を捻出するために行っていたのが、虹の会バザー。 要するに、佐藤さんを介助者として使う工藤さんと、介助者の佐藤さんが、佐藤さんの給料を捻出するためにバザーをやる、ということ。

行政に対しての交渉を何年も続け、介助料をある程度得られるようになって、そしてにじ屋をスタートすることになって、虹の会バザーの歴史は幕を閉じました。

私はそのバザー時代の最後の方、現場にいました。 まだ大学生で、バイトで松沢さんの介助に入っていた。 もうその頃の虹の会バザーは、ここらへんではかなりの知名度で、朝１０時開始の１５時終了で２００万越えの売り上げだった。 わー。 バザーの説明が長くなりましたが。

で、鐘塚公園の大企画です(この頃、もう「虹魂～ニジロック～」って言ってたんだっけ？？？。 この頃、もうにじ屋はスタートしていました。 この企画の中に、にじ屋は「出張販売」という形ではいりました。 あの公園に、販売台を持っていき、ゲートをつくり、トラックで品物を大量に運び込み。

それから、他作業所の販売ブースも作りました。あと、わたあめとか、やきそばとかの模擬店的なことも。お祭りですよ。

そしてそして、「ステージ」も作ったのです。 前日、鉄骨を組み、ベニヤを敷き、自前のステージを作る。 その夜は、寒い中見張りも兼ねてそこで寝た人もいたっけ。

そのステージに上がった我々が、スーパー猛毒ちんどんの前姿です。（他にも、ゲストグループをいくつか呼んだっけ。音楽とかダンスとか）今もそうですが、スーパー猛毒ちんどんは、「練習に出ないヤツは本番ステージに上げない」という不文律がありまして。

このとき、ミツが練習に出られなかったのですね。 それはミツがさぼったのではなく、 えーと、…なんだったかな…（笑）。 確か、入院か何かしてたのです。練習に出たくても来られない状況だった。

ミツは当日、やってきました。 でも、沈んだ顔で。 「俺は、みんなと一緒にステージには上がれない」。

でもミツの状況を見れば、練習に出られなかったのはしょうがない。 みんなが、そう思う。 けど、「練習に出ないヤツは本番ステージに上げない」のです。

で、コンポーザーである佐藤さんは、どうしたか。 「おまえは、どんな理由だったにせよ、練習に出てないことに変わりはない。  だから、残念だけど、みんなと一緒に歌わせることはできない。…。 ところでここに、１本の旗がある。  みんなが歌ってる間、ステージ横で、これ、振ってみるか？」

なんて、そんなカッコつけた台詞だったかどうかは知りませんが（笑）。 そういう主旨の話を、佐藤さんはミツにして、そしてみんなもそれに納得し、その日からミツは「旗」担当となりました。

ミツはあの日、晴れ晴れとした顔で旗を振っていたと思います。 長文になってるのにもうひとつ。 ミツの衣装について。 赤のチャイナドレスが超似合ってる！

こう、と決めたらとにかくやり通すのが、ミツ。 ある日、「毎日腹筋をする」と決めました。 その日から毎日毎日やり続けてはや数ヶ月。…いや、１年とか経つのかな。

以前ぽっこり出っ張っていたミツのおなかはすっかり引っ込み、この女性モノのチャイナドレスがぴったり入ってしまうまでに！！！

カズミ

コバ編

コバ。 なんといっても、今回のジャパンツアーのタイトルにもなったヒト。 「家出ノムコウ」。

７年前、コバは家出をしてきてそのまま今に至るわけですね。 ライブでは、そのコバが家出のことを語りました。 そして、そのアンサーの語りを、お父さん役として外口さんが語りました。そのへんのことは、原稿も含めコンポーザー佐藤さんのブログに出ていますので、ご覧下さいませ。

コバのメイクは、最近これに落ち着いてますね。 最初の頃は、確かアイシャドウとかがもっと少なくて、「オバマ」といわれていた（笑）。

米本さんもずいぶん慣れたみたいで、なんの躊躇もなくさっさかメイクを完成。 自身ありげに「佐藤さん、どうです？」と聞くと、佐藤さん、 「う～ん…。危なげが足りない」 「え？」 「試行錯誤してる頃の、あぶなっかしさが足りない。完成しすぎ」

笑。 逆に難しいわ、その要望。

コバは、細い。 だから女モノの衣装が入っちゃうので、毎回ドレスだったりするな。

そういえば、コバは「足踏み」ができません。 ちんどん練習で、ときどきやってみるのだけど、どうしても、腿を前に高く上げるということが難しい。 なんか、後ろに蹴り上げちゃうのですよ。どうしても。 猫がおしっこの後始末するみたいに。

しかも、これに手をつけると大変なことになります。 よく、緊張して手と足が同時に出ちゃうとか、言うじゃないですか。 コバの場合、緊張しなくても、同時に出る。 いや、同時どころか、足が４歩踏む間に腕は前から後ろへ５往復している、みたいな、むしろ器用なことになっている。

の、クセに！

マラソンは超速い！！！！！ ついこの間も、市民マラソンの大会で、ハーフを１時間４４分で走りました。しかもしかも、ボケボケのコバは、当日マラソンの靴を持って行きわすれたために、普段履きで２１キロ走りまして。靴底は見事にベロンベロンに。

でも、虹の会内で１位ですからね…。

おそるべし！！！

カズミ

モトミ編

今回のジャパンツアー「家出ノムコウ」でポスターのモデルになったのが、モトミ。

にじ屋営業中、このゴスロリの格好で撮影に出ました。 カメラマン、チャビによると、最初はプンスカしていたモトミも、その衣装にどんどん乗り気に。 撮影場所では、注文しなくても自らいろんなポーズをとってくれたそうで（笑）。

ライブ中はオリジナルダンスを踊ります。 今回はなぜか優雅な踊りが多かったなあ。 両手をふわ～ふわ～と。 曲自体はアップテンポで周りは叫んでいるというのに、そんなのおかまいなしに、ふわ～ふわ～。

ちんどんメンバーに加わったばかりの頃は、超高速コサックダンスだったけど。 こちらもまあ、曲のリズムは関係無しにとにかく超高速（笑）。

ちなみに今回、衣装はゴスロリだというのに、メイクはなぜかお公家さん風。 麻呂です麻呂。 メイクした米本さんが「今回のは傑作！」と、自画自賛。

突然思い出したけど、モトミ、ライブ会場へ行く車に乗りはぐって、置いて行かれたことがあった。 ガチで。

そのときの会場は代々木。 代々木に着いて、みんなで準備運動とか始めた時に、 「あれ、モトミは…？」と。大所帯だからひとりくらいいなくても、気づかないのです…。

慌ててにじ屋に電話すると、 「モトミ…いますよ」 っておい!早く教えてくれよ。迎えに戻れたかもしれないのに！！

もう迎えに行く時間はなく、その日はモトミのいないライブとなりました。

終わってにじ屋に戻ってみると、キレイにメイクだけ落として、衣装のままソファに座っているモトミ。 いつも、メイク落としは「やだ！」とか「さわらないで！」「いたい！」とか大騒ぎなのにね。 ひとりでどうやって落としたんだろう。

みんなと一緒に車に乗らなかったモトミが悪いのだけど…ごめんね、モトミ…。今では笑い話。

カズミ