虹の会機関紙「SSCにじ」9月号より転載
虹の会では、「障害があっても親から独立して地域で暮らしたい!」という障害者募集中。気軽にご連絡ください。
ここでは、実際に地域で介助者を使って暮らしている、加納さんやハトミ(漆黒)が日々思うことなどを書いています。(編:にった)
見えない生きる力
~第27回「障害者募集」~
文 羽富拓成(漆黒)
パソコンをもうすっかり手懐けた視線入力でSNSを眺めていたのだけれど
劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉2024年 冬 公開告知に画面が滲んでいった。やばいなぁ「交わした約束 忘れないよ目を閉じ確かめる」歌がよぎるだけで泣いちゃいそう。前作〈叛逆の物語〉からもう11年も経つなんて本当にびっくり。
思い出すなぁ。あの頃はまだ病院で暮らしていたの。介助を使って外出する練習で、外出届と計画書を病院に提出して(門限18時とか、ほんっとにメンドクサイんだから)バスと電車に揺られ観に行ったっけ。もうがむしゃらに何としても病院から出るんだ!地域で暮らすんだ!って。家族にも反対されてたし、全て捨てるつもりで生きてたの。
今となっては家族みんな、あの時退院して本当に良かったねって言ってくれるの。
寝たきりになってからは、元気でいてくれてありがとうって。
あの内モンゴルの学生はどうしているかしら?お菓子作りが趣味の笑顔が素敵な子だったな。とにかく映画の続編なんて楽しみすぎる。
好きがたくさんあるって素晴らしい
ねえ知ってる?!
好きはね。
見えない生きる力の糧になるんだよ。
最近思うの寝たきりになってからの方が、私より一層輝いてるんじゃないかって。五体満足の方からすれば寝たきりなんてお先真っ暗の地獄かもしれないけれど、だからこそ生きて輝き闇のなか輝くからこそ、より漆黒なのね。奇しくも今宵は新月。夜空さえも漆黒に。
了