虹の会機関紙「SSCにじ」11月号より転載。
求ム!リフト付きタウンエース!
文・にった
◆無いと困る!◆
虹の会には今、3台のリフト車があります。ハイエース型2台とタウンエース型1台。
このうちのタウンエース型が、そろそろ寿命なのです。
この車は20年ほど前、安田生命の助成金で購入しました。この20年で走行距離17万㎞。いろんな所を走ってくれましたが、あちこち故障することが増え、いつも修理してもらっている車屋さんからも「そろそろ厳しいよ」と言われております。なので買い替えたいのですが、いかんせんお金がない!そこで今回は、リフト付きタウンエースをくださるという奇特な方募集!もしくはこんな助成金もあるよ等の情報募集!です。
◆なぜタウンエースか?◆
他にも2台あるならいいじゃないかと思われるかもしれませんが、タウンエースであることに、実は大きな意味があるのです。
にじ屋で働くカブキは車いすを使っていますが、毎日このタウンエースで行き帰りをしています。狭い道路の住宅街を走るので、ハイエースではより高い運転技術が求められます。タウンエースだから、ハイエースよりは安心して安全に運転することができています。
また、ハイエースでは立体駐車場の高さ制限に引っ掛かって入れないこともよくあります。平面駐車場がない施設もあり、そうするとちょっと離れたコインパーキングに入れなければなりません。通院はもとより、みんなと映画を観に行ったりするにも、タウンエースの方がスムーズなことも多々あります。
そしてタウンエースは運転手の幅が広がる、ということも大きいです。ハイエースは大きいから怖くて運転できない、でもタウンエースなら大丈夫、という人は今の虹の会にも何人かいます。ハイエースだけになってしまったら、カブキの行き帰りを運転できる人が減ってしまい、何かと不便です。
じゃあ小さい車ならいいのか?と思われるかもしれませんが、これが軽自動車になるとまた別の問題が出てきます。軽自動車だと、車いすの横に介助者が座るスペースが取れません(座席がない)。移動中も姿勢を変えたり痰の吸引をしたりなどの介助が必要な場合もあり、すぐ隣に介助者を座らせておきたいのです。タウンエースなら、その座席があります。
というわけで、リフト付きタウンエースがほしい!のです。
◆市が意見書を断ってきたので◆
ちなみに。
自分たちで助成金を探してもいます。見つかれば応募するのですが、今のところもらえていません。つい先日も、とある助成金を見つけて応募しようとしたのですが…。
その申請書類の中に、「市からの意見書」というものがありました。申請は介助派遣システムからするのですが、システムがNPOとしてちゃんと活動しているかどうかというお墨付きを市からもらえ、というわけです。
それで市に意見書を書いてほしいと連絡を入れました。そして断られました。…なぜか?
介助派遣システムは、介助者に資格を取らせていません。ここで言う資格というのは、国が定めている〇〇管理者とかヘルパー〇級とかいうものです。私たちは、それらの資格には意味がない…どころか、それはとても甘いものだと思っています。
研修内容を見てみると、「障害者をどう管理するか」という方向性を感じます。「障害者が快適に生活できるように」配慮しているように見えて、その「快適かどうか?」はヘルパー側が決めるものになっています。ヘルパー側の価値観で、「あなたはこういう生活をした方が幸せだ」と決められてしまうように感じるのです。
私たちは、介助者の資格というものは、その介助者を雇う障害者が与えるのがいいと考えています。障害があっても自分の生きたいように生きる。そのために必要な介助をやらせるのです。決して、国や行政が決める「障害者の理想的な生活」をしたいわけではありませんし、どう生活したいかは人それぞれです。「この資格を取れば、どの障害者の介助もやっていいですよ」というのは、ちょっと障害者をバカにしていると思いませんか?
そんなわけで、虹の会は「国が定めるヘルパー資格」についてはずっとNOを言い続けています。それでも国から介助料が入ってきているのは、何年にもわたる市との話し合いがあったからです。虹の会は、「ヘルパー派遣時間は1週間に18時間」だった30年ほど前から、派遣時間増の対市交渉と共に「国がつくる資格反対」を言い続けてきました。
市の人もその私たちの考え方に理解を示してくれ、妥協点を一緒に探り、今に至ります。
なのに。
「資格取ってないので、意見書は書けません」「今後資格を取るという約束ができるのなら書いてもいいです」と来た。あんなに話し合いをしたのになぜそうなってしまったのか?
担当が新しい人に変わったからです。それだけ。
対市交渉をしていると、よくぶち当たる話です。前任者はちゃんと引継ぎをしてほしいと、いつも思います。でも毎回こうなので、私たちも新しく来た人に一から話をしていかなければと思っています。
ですが、ひとまず今の時点で「国が定める資格」をとるつもりはないので、意見書は辞退し助成金申請もとり辞めました。
話を戻しますと…。
今、虹の会ではリフト付きタウンエースがほしい!そして今のところ手に入れられる当てがない!
良き情報があれば、ぜひお寄せください。
(了)
ご連絡先:048-855-8438(虹の会)