(にじの会機関紙「SSCにじ」9月号より転載)
10月の消費増税について
にじ屋は以下の見解を発表します
2015年からはじまって景気悪化によりたびたび延期されてきた消費税増税ですが、今から一年前に安倍総理は、この10月から消費税を10パーセントに引き上げることを表明し、今日まで来てしまいました。
延期に関しては「リーマン・ショック級あるいは大震災級の事態にならない限り…」という条件付きで可能性を残していましたが、どちらの条件も状況的には無視をして、引き上げを行うことになるようです。
これに伴い、にじ屋でも対応を求められるところが出てきました。
にじ屋は消費税を納める義務を課された事業所なので、消費税を10パーセント預かり、納めなければなりません。
これまでの対応としては「計算がわかりづらい」「小銭の管理が大変になる」などの理由で、にじ屋スタート時から、当時5パーセントでかけられてた消費税については、にじ屋で負担する、ということにしました。しかし前回2014年に8パーセントに引き上げられたときに、消費税に対しての具体的な作戦などもありませんでしたし、これを続けても、「解消されない負担」が増えるだけと判断し、お客さんからも8パーセント預かって、納税するということを決めました。
そして今回の増税です。
10パーセントに上がることに関しては、にじ屋に納税が課されている以上、お客さんからも10パーセントの消費税を預かることになります。
しかし、今回、食品に関してだけ8パーセントに据え置かれ、しかも「持ち帰って食べる場合のみ」というさらに判断しづらい条件があります。
具体的には、にじ屋の会計で、食品の会計のみ、それを「持ち帰って食べる」のか「その場で食べる」のかを聞いて、税率を変えて金額を確定するということになりますが、現実的ではありません。複雑化することにより知的障害を持った職員が今やれている会計の仕事が一つ失われることになります。
また対策として、いわゆる「軽減税率」対応のレジを買うとか、税込み金額で値付けをしていくとかも、税理士の方から提案がありましたが、私たちが金銭的、作業的に負担を負うことは現実問題として財政上困難です。「レジなんか買えないよ」という個人商店はうちだけではないと思います。
と同時に「すべきではない」という判断もあると考えています。
その根拠は、税の三原則「公平」「中立」「簡素」のうちの一つ、「税制は簡素でなければならない」に拠るところでもあります。
税とは、誰でもよくわかり、経費がかからない手法により徴収されなくてはならない、という考え方に反していると考えられるからです。
よって、10月1日以降、にじ屋では、やむなく、すべての品の表示価格に対し10パーセント分の消費税を計上します。つまり、いわゆる「軽減税率」の対象とされている「持ち帰って食べる食品」に関しても同じく10パーセント分計上し、そのまま納税することとします。
現実的には、今のところ、レジ前で売っている「われせんべい」がこれに当たります。
しかしこれは本意ではありません。
税制上は、8パーセント据え置きが認められている商品(われせんべいなど)に関しても、お客さんに2パーセント分多く消費税を納めてもらうことになるからです。
でもこれは私たちのささやかな抵抗です。
そして呼びかけでもあります。
「本当にこのまま言われるままに税金を納め続けていきますか」と。
いま消費税に対して多くの国民の関心事と言えば「この増税でどうやったら得できるか」…であるかのように、テレビなどマスコミでは取り上げられていますが、この消費税という税制自体が、そもそも見逃すべきではない大きな問題をはらんでいるのです。また、福祉の充実を目的に行われた前回の増税分のうち、実際に福祉の充実に充てられたのは2割以下であったということもわかっています。
でもその事実が問題として取り上げられることはなく、多くの国民は知らされないまま、さらなる増税を負担しなければならないと感じているように見受けられます。
にじ屋、および虹の会としても、適正な税の徴収、分配が行われるよう、考えていきたいと思っています。
虹の会/にじ屋 (文責・内藤亜希子)
吉田等 says
全面的に賛同します。軽減税率の基準自体も恣意的特定業界擁護的としか思えないところもありますし。
カズミ says
コメント、ご賛同、ありがとうございます!変だと思ったことは、見過ごさず、我慢せず、発進していきたいと思っています。
カズミ says
あ、発信です!!