障害者生活ネットワークうらわ(通称「ネット」)の、2020年度方針は「頭を使ってみんなを楽にする」。
それが上半期どうだったか、ネットの会議でみんなで振り返ってみた。
以下、虹の会機関紙「SSCにじ」10月号より転載。(カズミ)
かみ砕く
内藤亜希子
「頭を使ってみんなを楽にする」
という方針を、半年たってやっとかみ砕きみんなと共有できる形にできたような気がする。
いや、この「頭を使って…」というのは実は今年リベンジだったのだから、一年半かかった、ということになる。
この、頭を使ってみんなを楽にする…というのは方針だから仕方ないのだけど、一言にまとめているだけで実はいろんな要素が含まれていた。だから実感として何を目指すのかが共有しにくかったのだということに気が付いた。
頭を使うというのは、「目の前のことをただがむしゃらにこなす」ということに対してのアンチだった。
にじ屋の売上をあげようということも、障害者が健体者を目指して仕事の効率を上げようとか、根性でやるしかないんだとかいうことですすめていくのはもうやめよう、という頭の中での理念の転換はちょっと前からいろんな方面で話が出ていた。
つまり、なにか問題があったら一旦止めて考えなおすことを選ぼうということが大事だったのだ。
自分たちが状況に合わせるんじゃなくて、自分たちに合わせていく感覚ということか。
だから、もっとかみ砕いた結果、「やだな」を「変えて」「楽にする」ということに分解できそうだということになった。
例えば仕事の道具を置いているところが使いづらければ、がまんしないでそこを使いやすく変えよう。
もっといえば、わからないことがあったら聞いてすっきりしてから物事を進めて行こう、ということなのだ。
だからもちろん仕事に限ったことではない。
陽ちゃんが、酸素ボンベが空になったら交換しなければならないのに、いつ空になるかわからないから、なくなるのが心配で酸素を使えないでいた、ということがあった。でも相談して、空になる前に換えてしまうことを決めて、定期的にボンベの補充をしてもらうことに決めたら、いまはただ何も悩むことなく酸素を使い、決まったタイミングで交換するだけになり、ずーーーっとたまっていたモヤモヤは解消されて、楽になった。
つまりそういうことなのだ。
やだなと思うことを、人はそのままにしてしまいがちだけど、変えるのは勇気がいるからそのままの方が楽かなと思ってしまいがちだけど、そこで変えることができたら、やなコトが消えて、とても楽になる。そしてそのおかげでまわりの人も楽にしている。今回の陽ちゃんの酸素も、心配しなくて済むようになったのでみんなも楽になった。
これからみんなが「やだな」をがまんせず、「やだな」を消していくことができたら、どんどんすっきりとして、楽しくなっていくことだろう。
ただこの「やだな」に気づかない人もいるから、そこはみんなで一緒に繰り返し積み重ね、習慣化していくことが必要だということにも気づいた。
下半期は、具体的な「やだな」を出し合って楽にする経験をみんなとしていきたい。
今度の3月こそ、みんなから消えた「やだな」がたくさん積み重なってるのを確認できるような気がしていて今から楽しみだ。
わたしたちはやだなをがまんしない。人にもがまんさせてよしとしない。たとえ健体者であってもなかなかできない人も多いけど、私たちには仲間がいるのだから、私たちならできる気がする。
下半期いいスタートが切れた。(了)
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